第7回(最終回):香りの効果はリラクセーションだけ? ― 臨床アロマセラピスト NAOKO のアロマ道

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第7回(最終回):香りの効果はリラクセーションだけ?

こんにちは。臨床アロマセラピーについてお話しさせていただいていますNAOKOです。いつもご覧になってくださってありがとうございます。

風邪予防に

インフルエンザが流行る季節、職業上、うがい手洗いは身についていても、免疫力を落とさないよう自分を労わることは案外できていない方が多いのではないでしょうか?

仕事はそう簡単には休めないので、ハードな仕事をこなす看護師は無理をしがちです。ひとたび疲れがたまってくると風邪をひきやすく、しかも治りにくくなってしまいます。看護師が心身ともに健康でいることは、よい看護を行う基本的に重要なことになりますから、予防に心がけることはプロとしては重要ですよね。

風邪予防の対策として、特にお勧めしたいのは抗菌作用の強いティートリー、ユーカリ・ラディアタ、ラベンダーです。これらの精油を部屋に香らす「蒸散」という方法で空気中の細菌やウイルスの殺菌や抗菌をします。蒸散は、主に電気コンセントを使うタイプの「アロマランプ」を使用しますが、他にも広い場所に蒸散する場合は、精油を霧状にして噴霧するディフューザーを使うのもいいでしょう。

でも道具がなくても大丈夫!マグカップに90℃程度のお湯を入れ、そこに1~3種類の精油を垂らすと、程よい強さの香りが部屋に漂います。精油は量が多ければよいというものでもありません。大量に使い、気分が悪くなってはいけませんので、ふわっと匂うだけで十分です。また精油の抗菌性は大変強いので少量で十分に予防となります。面倒な時は、ティッシュにつけて枕元に置くだけでもいいですよ。

ペパーミント、レモン、ローズマリー、レモングラス、パルマローザ、ブラックペッパーなども抗菌作用を持ちますので、その日の気分で精油を組み合わせ、香りを楽しみながら予防してみてはいかがでしょう。

仕事場や電車の中では香りを蒸散させることは難しいでしょうから、そんな時に役立つ「エアフレッシュナー(芳香スプレー)」の作り方をご紹介しましょう。お部屋の空気の清浄だけでなく、消臭スプレーとしても使ってみてください。

エアフレッシュナーの作り方

★材料
・無水エタノール 20ml
・精油 10~15滴
・精製水 80ml
・スプレーボトル

★作り方
1、スプレーボトルにアルコールを入れる
2、1に精油を入れ、ボトルを振って混ぜる
3、2に精製水を入れる
4、スプレーする前にはよく振ってから使用する

★注意
・布に直接スプレーする場合は目立たない部分で一度試してください。(色がつく場合があります)
・肌には直接ふきかけないようにしてください

緩和ケア病棟で

緩和ケア病棟の60台男性は、肺がんで肝臓に転移もあり足のむくみがひどく、だるくて身の置き所がない状態でした。状態が悪くなるにつれてせん妄も出現し、特に体調が悪い時間帯には、焦っている感じや口調が荒くなることもありました。

外来に通って治療をし、自宅で倒れるまで一人で生活をされてきた方です。ベッドの周りは、自分が取りやすいよう工夫された手作りのリモコン入れや孫の手、ナイロンかけのフックなど、それぞれ定位置に固定されており、几帳面さが伺えました。

顔色は悪く、眉間にシワを寄せていることが多いため、声をかけるには勇気がいる感じでしたが、足のマッサージをしましょうかと声をかけると頷かれました。

香りは「においきついのは嫌い」と希望があったので、花の香りは時に胸を圧迫するような息苦しさを与えることがあるので避け、さらにこのときにはインフルエンザが流行し始めていましたので、ユーカリ、ティートリー、ペパーミント、ラベンダーなどを嗅いでいただいたところ、ユーカリとティートリーを「これいいね」と言われたので、1%濃度でブレンドオイルをつくりました。

下腿の浮腫はかなり強く、オイルをたっぷりとってできるだけ皮膚に密着させてゆっくりと圧をかけすぎないよう注意してエフルラージュ(軽擦)中心に下肢に施術を行いました。こころをこめて、気持ちよさを感じていただけるように祈りながら。

徐々に眉間のシワが緩み、ウトウトしていきます。終了後も眠っておられたのでそのままそっと退室しました。

初回以降は、自分から「足やって」「背中してほしい」などご自身から希望されるようになり、アロママッサージをすると表情の硬さがとれ、終えるときには眠っておられるので、楽になっているように感じました。

だんだん倦怠感が著明になり、自分で動けない状態になっても、身内の方が面会に来られると「座るわ」と介助で座っておられました。1,2分で疲れて横になるのですが、その気力はどこから来ているのかと不思議に思うくらいでした。会話は多くはありませんでしたが、身内の方に対して感謝の思いを伝えたい、最後まできちんとしていたいという患者さんの生き方を感じました。

それから間もなく亡くなられましたが、身内の方が「いつもマッサージしてもらってありがとうございました。気持ちいいって言っておりました。」とお礼を言ってくださいました。

これまで多くの患者さまにアロマセラピーを提供させていただいてきました。精油がもつ心身への効果とタッチによる癒し癒される安楽の経験が、お互いの成長を促してくれます。私もこれまで本当に多くの患者さんから癒され、おかげで人への尊厳の気持ちの高まりと自身の看護への確信が少しずつ持てるようになりました。これからも看護としてアロマセラピーを使いながら、もっと、もっとよい看護を探求し続けたいと思います。

みなさま、これまでお付き合いくださいましてありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

精油の紹介 ~ティートリー

■主な効能
抗菌、抗真菌、抗ウイルス作用

■エピソード
アボリジニは辛味のあるティートリーの葉を熱湯に浸し、風邪や咳、頭痛の薬として飲んだり、木から葉を摘んでそのまま噛んでいた。

■植物の特徴
オーストラリアのニューサウスウエールズ原産の高木で、樹高7メートルの小高木。近縁種にはカユプテ、ニアウリ。細長い羽毛のような葉を持ち、黄色または紫色の花を咲かせる。

■参考文献
1)日本アロマセラピー学会:アロマセラピー標準テキスト臨床編、丸善、2010
2)ガブリエル・モージェイ:スピリットとアロマセラピー、フレグランスジャーナル社、2011

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■著者プロフィール

NAOKO

NAOKO
短大卒業後、一般企業に就職し5年間事務職に従事する。1994年、専門職になりたいと大阪の看護専門学校に入学。1997年より大阪の総合病院にて内科病棟と外科病棟に勤務。2011年病院を退職。2011年ホリスティックケアプロフェッショナルスクールプロフェッショナルコース入学。2012年HPS認定アロマセラピスト取得。2013年より医療施設と連携したケアルーム「Lifetouch」にて勤務。HPS臨床アロマセラピストコースに進学し、猛勉強中

■監修

相原由花

相原 由花
ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長、英国ITEC認定アロマセラピスト、英国リフレクソロジー協会認定リフレクソロジスト、関西医科大学心療内科学講座研究員、日本アロマセラピー学会評議員、日本ホリスティックナーシング研究会役員、eBIM(エビデンスに基づく統合医療研究会)評議員、NPO法人ウーマンリビングサポート副理事、The American Holistic Nursing Association会員、看護師、保健師

臨床アロマセラピーにご興味をお持ちになられた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。

●ホリスティックケアプロフェッショナルスクール神戸本校
〒651-0085 神戸市中央区八幡通4-2-13 フラワーロード青山ビル5F
◎お電話でのお問い合わせ ⇒ 078-272-3093
◎ホームページで、詳しい情報をご紹介しています。
http://www.hcpro.jp/
◎Facebookページもあります。ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/holisticcareprofessionalschool

セミナー情報など

■HPS認定 プロアロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#ca
アロマセラピストの基礎を、1年間徹底的に学びます。現役医師をはじめ、臨床経験豊富な講師から、基礎医学・精油学・アロママッサージをしっかり学習。シフト調整がしやすい「月2回」の受講です。

■HPS認定 臨床アロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cb
病いを抱えた患者さまの、症状緩和・QOL向上・安寧確保のためのアロマケアを学びます。病棟・施設でアロマを実践したい看護師の方におすすめです。

■HPS認定 リフレクソロジスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cc
足裏から、患者さまの身体状況をアセスメントする技術です。反射区を刺激することで不調を改善しながら、心地よいリラクセーション効果もあり、脱衣がしづらい患者さまにも適用しやすいことも利点です。

■RJB認定 MテクニックRPractitioner 実践者育成コース
http://hcpro.jp/course.html#cd
どのような重篤な患者さまにも適用できる、特殊なタッチング技術です。精油を用いず、衣服の上からも行えるため、実施の場所を選びません。疼痛・不安・睡眠障害などをやわらげます。

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