第6回:リラックス、本当にできていますか? ― 臨床アロマセラピスト NAOKO のアロマ道

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第6回:リラックス、本当にできていますか?

こんにちは。臨床アロマセラピーについてお話しさせていただいていますNAOKOです。
いつもご覧になってくださってありがとうございます。

香りは一瞬にして気分を変えられる

みなさまにとってのリラックスタイムはどんな時ですか?ぼーっとする、好きな音楽を聞く、甘いものをつまむ、好きな俳優さんを見て目の保養をする(笑)…などでしょうか?

いろいろな過ごし方があると思いますが、香りは気分を一瞬にして切り替えてくれるとても優秀なツールになります。

例えば珈琲の香ばしい香り。私はあの香りが大好きで、ぐっと吸い込んだ瞬間、何とも言えない落ち着いた気持ちになります。実は私は看護師になるまでは珈琲が飲めませんでしたが、休憩室で先輩がいかにも美味しそう飲む姿と、珈琲のいい香りに誘われ、いつしか自分も食後の珈琲がリラックスタイムの習慣になっていました。

気になることはあっても、なにはともあれいったん脳をリラックスさせてこそ、このあと待ち受けている仕事にも立ち向かえるのだと思います。皆さんそれぞれ好きな香りや落ち着く香りをお持ちだと思います。そんな香りに包まれながら忙しい合間にちょっと深呼吸してみるのはどうでしょう?

以前「帰りたい、もう帰ります!!」と訴えるせん妄の患者さんがいらっしゃいました。なんとか気持ちをそらせようと話しかけても、あまりうまくいきませんでした。そこで一緒にお茶菓子とともにお茶を飲もうと誘うと、患者さんは落ち着いていきました。味覚や嗅覚を刺激することは有効なのかも知れません。

アロマセラピストになった今、あの時気分転換のひとつに香りを取り入れてもよかったのではないかと思います。なじみがあり、食事と繋がるオレンジやレモンの香りなどをティッシュに垂らして嗅いでもらうのもよかったかもしれません。あるいは、患者さんが触られることに抵抗がなければ、5分か10分程度のマッサージも緊張を解き気持ちをやわらげるのによかったのではないかと思います。

「肩凝ってませんか?」と気軽に声をかけ、肩や手のマッサージ、もしくは車椅子にずっと座っているような患者さんであれば足のマッサージも気持ちいいので、よい気分転換になるのではないかと思います。

なぜリラックスが必要なのでしょう

ずっとアクセル全開で走り続けると体は疲弊してしまいます。だから人は時々「休息」をし、リラックスすることによって体を補修する時間が必要になるのです。

私たちの体は、免疫系、内分泌系、自律神経系が互いに影響し合い、一番よい状態にしようと常に変化しています。ただ、頑張りすぎてしまうと、それらの均衡が崩れ何かしらの症状が現れます。

なかでも注意が必要なのは、「頑張りすぎの自覚がない方」、「頑張りすぎがやめられない方」です。症状が出てくるころには重症化していることもよくあるからです。緊張が続く仕事の看護師のみなさまには、特に意識してリラックスする時間を持つようにしてほしいと思っています。

今、ここに意識を向ける

ケアルームに来られた40代の女性は、緊張しやすく、無意識のうちに力が入っている状態でした。病名は「自律神経失調症」で、主訴は不眠でした。

絶えず気を張っているので、疲れているはずなのに寝ようとしても力が抜けず、考え事をしはじめると眠れなくなってしまいます。交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、リラックスしようにもどうしたらわからなくなってしまっている状態でした。主治医からは、アロママッサージを受けて「リラックスの感覚」を思い出させてあげてほしいと紹介されました。

とはいえ、ただでさえ緊張が強いクライアントが、初対面の見ず知らずの人に無防備に体を預けるというのはなかなか大変なことですので、セラピストは安心感を持ってもらえるようにといつも心がけています。

案の定、この方は施術中でも完全には力を緩めることができないようでした。そこで頭の中で何を考えているか少し聞いてみることにしました。すると「帰ってからの家事のことを考えている」だと教えてくれました。普段から「先々のことを考え、できていないことが気になって気持ちばかりが焦ってしまう」と言います。

まだ起こるかどうかわからない未来の心配ですでに疲労してしまっている状態でしたので、私は今現在に意識を集中してもらおうと「私の手がどこを触っているのかどんな感じがするのかを意識してみてください」とお話ししました。「今・ここ」に意識を向けることがとても大事だと感じたからです。

彼女が何度目かの施術時、「こんなにしんどいのに夫はわかってくれない、いたわりの言葉さえない。」と夫への怒りの感情が表れました。それからしばらくしてセラピストの手がどこを触っているのか意識することを思い出して、あー今ここ触ってくれてる・・あったかい・・とまたウトウトしていったと語りました。

この方は6時間ほどかかっていた入眠が、最近では1~2時間で眠れるようになり、睡眠困難が気にならなくなったそうです。

現在も夫婦関係についての悩みをはき出し、そのあと甘めの香り(ローマンカモミール、ラベンダー、ベルガモット、オレンジ)で全身をアロママッサージするケアを続けています。徐々にマッサージ後は顔色がよくなり、お顔の表情も和らいで、少しずつリラックスするという感覚を思い出しておられるようです。

精油の紹介 ~ローマンカモミール

ローマンカモミール

■主な効能
ストレス緩和、特に緊張が起こす不調によい。消化器症状によく、肌にもよいです。

■エピソード
ヨーロッパではローマンカモミールを薬に、香の材料に、生け花に用いてきた何世紀もの歴史があります。

■植物の特徴
英語ではガーデン・カモミールの別名もあり、芝生代わりに庭に植えられています。(踏んで香りをたたせるため)

■参考文献
1)エレインN.マリーブ,R.N.,Ph.D.:人体の構造と機能 第3版、医学書院、2010

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■著者プロフィール

NAOKO

NAOKO
短大卒業後、一般企業に就職し5年間事務職に従事する。1994年、専門職になりたいと大阪の看護専門学校に入学。1997年より大阪の総合病院にて内科病棟と外科病棟に勤務。2011年病院を退職。2011年ホリスティックケアプロフェッショナルスクールプロフェッショナルコース入学。2012年HPS認定アロマセラピスト取得。2013年より医療施設と連携したケアルーム「Lifetouch」にて勤務。HPS臨床アロマセラピストコースに進学し、猛勉強中

■監修

相原由花

相原 由花
ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長、英国ITEC認定アロマセラピスト、英国リフレクソロジー協会認定リフレクソロジスト、関西医科大学心療内科学講座研究員、日本アロマセラピー学会評議員、日本ホリスティックナーシング研究会役員、eBIM(エビデンスに基づく統合医療研究会)評議員、NPO法人ウーマンリビングサポート副理事、The American Holistic Nursing Association会員、看護師、保健師

臨床アロマセラピーにご興味をお持ちになられた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。

●ホリスティックケアプロフェッショナルスクール神戸本校
〒651-0085 神戸市中央区八幡通4-2-13 フラワーロード青山ビル5F
◎お電話でのお問い合わせ ⇒ 078-272-3093
◎ホームページで、詳しい情報をご紹介しています。
http://www.hcpro.jp/
◎Facebookページもあります。ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/holisticcareprofessionalschool

セミナー情報など

■HPS認定 プロアロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#ca
アロマセラピストの基礎を、1年間徹底的に学びます。現役医師をはじめ、臨床経験豊富な講師から、基礎医学・精油学・アロママッサージをしっかり学習。シフト調整がしやすい「月2回」の受講です。

■HPS認定 臨床アロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cb
病いを抱えた患者さまの、症状緩和・QOL向上・安寧確保のためのアロマケアを学びます。病棟・施設でアロマを実践したい看護師の方におすすめです。

■HPS認定 リフレクソロジスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cc
足裏から、患者さまの身体状況をアセスメントする技術です。反射区を刺激することで不調を改善しながら、心地よいリラクセーション効果もあり、脱衣がしづらい患者さまにも適用しやすいことも利点です。

■RJB認定 MテクニックRPractitioner 実践者育成コース
http://hcpro.jp/course.html#cd
どのような重篤な患者さまにも適用できる、特殊なタッチング技術です。精油を用いず、衣服の上からも行えるため、実施の場所を選びません。疼痛・不安・睡眠障害などをやわらげます。

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