第5回:まずは自分に癒しを ― 臨床アロマセラピスト NAOKO のアロマ道

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第5回:まずは自分に癒しを

こんにちは。臨床アロマセラピーについてお話しさせていただいていますNAOKOです。
いつもご覧になってくださってありがとうございます。

看護という仕事

どんなお仕事も大変だとは思いますが、看護師は激務です。
体力がいることはもちろん、間違ってはいけないプレッシャーのなかで、集中力、観察力を駆使して、瞬時にして何がベストかを判断する力が求められます。さらには、どんなに忙しくても患者さんには笑顔でいる包容力、忍耐強さ、心の中の怒りを顔に出さずに行う冷静さも(笑)。尋常ではない精神力ですよね。いろんなことが同時に求められてしまう。

普通で考えたらそんなに完璧にできるわけはないのですが、「患者さんのため」となると多少無理をしてでも要求に応えようとしてしまう。看護師はそういう使命を持っているようです。私は患者さんを癒すために病棟に伺っていますが、本当は、看護師さんこそ、癒される必要があるといつも思っています。

スッとしたい

"柑橘系の匂いには、抗ストレス作用および抗うつ作用があることがすでに示唆されています。小森らによれば、ハミルトンうつ病評価尺度の点数に加え、ストレスホルモンであるコルチゾールの尿中量の減少や、NK細胞活性の上昇などによって、柑橘系の匂いが抗ストレス作用、抗うつ作用をもつ可能性が示唆されています。この報告では、入院期間などの治療効果にはっきりとした有意差はみられなかったものの、抗うつ薬の投与量が減量できたことや、尿中コルチゾール量の有意な低下など、匂い刺激がうつ病性障害に対して効果的に働く可能性があることを示唆していると言えます。また、緩解後6年以上経過した群において、香り刺激による治療を行ったところ、半数は再燃、再発に至ることは無かったとも報告されており、このことからも香りによる刺激がうつ病性障害に対する治療や予防に効果があると考えられています。"*1

40代の看護師Aさんは職場での出来事がきっかけで心身の調子を崩し、心療内科に通うようになり、医師に紹介されケアルームにお越しになりました。Aさんは、深夜に休憩がほとんどとれないほど大変であったこと、任された役割のしんどさ、気難しい医師の回診につく気疲れ、同僚との人間関係などについて堰を切ったようにお話しされます。私は大変さが想像できるだけに、Aさんの話につい同調してしまうこともありますが、そんな時もなるべく自分の気持ちに素直に応対しようと考えています。セラピストがオープンでいることで、クライアントのさらなるお話しが出てくることもあるのではないかと思うからです。

それでも言葉にできない部分については香りが癒してくれることを期待します。どのような香りがいいか伺うと「スッとしたい。」とおっしゃいます。心と体の疲れが流せるようなスッとする香りを作ろうと、この日はグレープフルーツ、フランキンセンス、ブラックスプルースで全身のアロママッサージをしました。

よっぽど疲れていたのか、大きな寝息をたてながらコンサルテーションの時間のAさんとは違い、体をゆだねて安心しきったように眠っていました。施術が終了し、目を覚ましたAさんは「本当に気持ちがスッとした。嫌なことがなんだかどこかに吹っ飛んだ感じがします。」と軽やかな笑顔をのこして帰られました。

看護師だって人間。傷つくこともしんどいこともあります。ケアする人を護るのも私たちの仕事だと感じています。Aさんは現在、心療内科は卒業され、アロマセラピーをご自分の健康管理のために定期的に受けながら、新たな職場で働いておられます。自分を奮い立たせて一生懸命働く看護師たちの力になりたい。あらためてそう思わせてくれたケースでした。

柑橘系の香り

柑橘系の香りはなじみがあり、好まれやすい香りと言えます。みずみずしいフレッシュな香りは気持ちを明るくしてくれ、緊張やイライラを和らげます。アロマセラピーを受けにケアルームなどへ行く時間がない、という方は、例えば、玄関先にオレンジなどの柑橘系の香りを香らせたら元気がもらえます。

気持ちが高ぶって眠れないとき、好きな香りをティッシュに1滴落として、枕元、胸元に置くのもおすすめです。ご自分の好きな香りであれば自然にリラックスできますので、眠りにつきやすくなります。仕事中は香りを持つことは難しいかもしれませんが、バックの中などに香りを入れておいて休憩室で気分転換するのもよいと思います。最近では自分だけで香りを楽しめるグッズも出てきていますので、それらを活用するのもいいですね。

精油の紹介 ~スイートオレンジ

■主な効能
気持ちを前向きに、楽にしてくれます。腸の蠕動運動をよくし、食欲を刺激します。

■エピソード
中国では伝統的にオレンジは幸運と繁栄の象徴で乾燥させたオレンジの果皮は漢方薬の生薬として何世紀にもわたり大切にされてきました。

■植物の特徴
常緑の高木で4.5~10メートル程度に育ちます。5月頃に開花し、やや小型で白色の花は芳香に富みます。

次回は看護師のみなさま自身も癒されてほしいのでセルフケアについてお話ししたいと思います。

精油の紹介 ~グレープフルーツ

■主な効能
自信を失っているとき、気分が沈んでいるとき、気持ちを浄化し、気分を爽快にしてくれます。腸の蠕動運動をよくし、むくみにもよいです。

■エピソード
アロマセラピーに使用されるほかに、香水の原料、化粧品、石鹸、食品の香りづけに用いられています。

■植物の特徴
木の起源も名の由来も確かではなく、おそらくスイートオレンジとポメロ、あるいはシャドックの交配種ではないかと考えられています。

■引用文献
*1 日本アロマセラピー学会:アロマセラピー標準テキスト臨床編、丸善、2010

■参考文献
1)ガブリエル・モージェイ:スピリットとアロマセラピー、フレグランスジャーナル社、2011

記事一覧

■著者プロフィール

NAOKO

NAOKO
短大卒業後、一般企業に就職し5年間事務職に従事する。1994年、専門職になりたいと大阪の看護専門学校に入学。1997年より大阪の総合病院にて内科病棟と外科病棟に勤務。2011年病院を退職。2011年ホリスティックケアプロフェッショナルスクールプロフェッショナルコース入学。2012年HPS認定アロマセラピスト取得。2013年より医療施設と連携したケアルーム「Lifetouch」にて勤務。HPS臨床アロマセラピストコースに進学し、猛勉強中

■監修

相原由花

相原 由花
ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長、英国ITEC認定アロマセラピスト、英国リフレクソロジー協会認定リフレクソロジスト、関西医科大学心療内科学講座研究員、日本アロマセラピー学会評議員、日本ホリスティックナーシング研究会役員、eBIM(エビデンスに基づく統合医療研究会)評議員、NPO法人ウーマンリビングサポート副理事、The American Holistic Nursing Association会員、看護師、保健師

臨床アロマセラピーにご興味をお持ちになられた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。

●ホリスティックケアプロフェッショナルスクール神戸本校
〒651-0085 神戸市中央区八幡通4-2-13 フラワーロード青山ビル5F
◎お電話でのお問い合わせ ⇒ 078-272-3093
◎ホームページで、詳しい情報をご紹介しています。
http://www.hcpro.jp/
◎Facebookページもあります。ぜひご覧ください。
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セミナー情報など

■HPS認定 プロアロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#ca
アロマセラピストの基礎を、1年間徹底的に学びます。現役医師をはじめ、臨床経験豊富な講師から、基礎医学・精油学・アロママッサージをしっかり学習。シフト調整がしやすい「月2回」の受講です。

■HPS認定 臨床アロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cb
病いを抱えた患者さまの、症状緩和・QOL向上・安寧確保のためのアロマケアを学びます。病棟・施設でアロマを実践したい看護師の方におすすめです。

■HPS認定 リフレクソロジスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cc
足裏から、患者さまの身体状況をアセスメントする技術です。反射区を刺激することで不調を改善しながら、心地よいリラクセーション効果もあり、脱衣がしづらい患者さまにも適用しやすいことも利点です。

■RJB認定 MテクニックRPractitioner 実践者育成コース
http://hcpro.jp/course.html#cd
どのような重篤な患者さまにも適用できる、特殊なタッチング技術です。精油を用いず、衣服の上からも行えるため、実施の場所を選びません。疼痛・不安・睡眠障害などをやわらげます。

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