第1回:運命の出会い ― 臨床アロマセラピスト NAOKO のアロマ道

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第1回:運命の出会い

こんにちは。このコラムを担当しますNAOKOです。
このコラムでは、私が魅了された「臨床アロマセラピー」をみなさんにお伝えしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

アロマセラピーは趣味だったのに…

"「アロマセラピーは、植物(芳香植物や薬効植物)から抽出された天然の精油(=エッセンシャルオイル)の芳香成分がもつ薬理作用を利用し、人間が本来もっている自然治癒力を高め、心身の疾病予防や治療を行う植物療法の一種です。」"*1
そう本には書かれていますが、当時の私には「いいにおいのする、あれね・・」という程度でした。

雑貨屋さんに並ぶ茶色や青のビンから立ち上る香りを嗅いでは気に入ったものを購入し、アロマポットで焚いたりして楽しんでいました。時には香りを嗅ぎながら眠ると、夜中に目が覚めても香りで落ち着き、また眠れるという不思議な体験もしました。

生活の中で香りを使って満足していたので、まさか自分がアロマセラピストになろうとは予想していませんでした。ところが現在は病棟看護師を経て、アロマセラピストとして働いているので自分でも驚きです。

患者さんの役に立っているのかな?

私はアロマセラピーの何にこんなにも惹かれたのでしょう?

看護師として働いていたころは、とにかく時間に追われていました。「えっ?もうこんな時間!まだあれもこれもしないといけないのに・・」と「いいケアをしたい」と思いながらも、いつのまにか「しなければならないこと」に追いかけられ、自分に余裕がなくなっていきました。

一日の終わりはクタクタです。なのに年々役割は増えていく…。息つく暇もないような目まぐるしい忙しさの中でも患者さんとのちょっとしたやりとりや同僚と休憩室でのおしゃべりで、なんとか元気を取り戻し、再び病棟に赴く・・そんな日々が続きました。

夜勤のある晩、もう余命わずかだろうという患者さんが「足がだるい」と訴えました。足を自己流でさすると患者さんは目を閉じて「あー楽・・」と言います。私は「できることなら、眠りにつくまでこうして足をさすっていたい。」と思う一方、頭の隅では「ここで割ける時間は最大あと5分だ」と計算していたのです。

「他にも患者さんはいるのだから。」「何が起こるかわからない、夜勤なのだから。」そう自分に言い聞かせて、気持ちよさそうに目を閉じる患者さんの部屋をそっと退室することを選択したのです。このような思いは看護師ならきっと日常的に味わっているのではないでしょうか。

徐々に私は、忙しすぎる業務をくるくると頭と体を動かしてこなしているものの「自分が患者さんに役に立っているのか」「患者さんに何ができるのか」とどこか看護に自信が持てず、落ち込むことも多くなっていったのです。

アロマセラピーとの出会い

そんなときに、目にとまったのが『臨床アロマセラピストになる』という本でした。

私は生活の中で香りを楽しんでいただけでしたが、その本の中では患者さんにアロマセラピーを使ったケアをしていて衝撃を受けました。私はこの本を一気に読んでしまい、これなら患者さんを気持ちよくなってもらえるんじゃないか!と希望の光をみつけた気がしたのです。

とにかく“これはいい!”と感じたのです。

3つの発見!

さっそくアロマセラピーの学校に申込み、学んでみると新しい発見の連続でした。

■発見その1:植物の力はすごい!ということ。
精油にはさまざまな薬理作用が見つかっていますが、何のために植物は精油を持っているのか知っていますか?動けない植物が過酷な環境から身を護るためだったり、傷ついたところを自分で治すためだったりするんですよ。

そんな精油の一番の特徴は「香り」を持つこと。
香りを嗅いだだけで、思わず顔がほころぶような、幸せな気持ちになるものもあり、なんとも神秘的です。

■発見その2:昔の人は偉かった!ということ。
今でもハーブ、漢方は活用されていますが、古代からこのような植物の力を知っていて、その力を借りて生活していたんです。昔の人は病気になったら即、命にかかわってしまいます。だからこれらを使って病気にならないようにする必要があったんです。きっと早目早目に対処していたのでしょうね。医療が進歩しているのでつい頼ってしまいますが、病気になる前に自分を労わり、大丈夫?と日頃から自分の心と体の声を聴くことが大事なんだと思いなおさせてくれます。

■発見その3:アロマセラピーマッサージは不思議な感覚!ということです。
眠っているような、でも意識ははっきりしているような、その間を行き来しているような感覚。「身体的催眠」と言われる理由がわかる気がしました。

はじめてアロマケアルームを訪れた時、アロマセラピストさんが私の体調を聞きながら3,4種類の精油を選んでくれました。そのとき選んでもらったのはラベンダー、ゼラニウム、マンダリン、それにジャスミンサンバックでした。「いかがでしょうか?」と差し出された4本の精油ビンから、ふわーっとなんともいえない深みのある甘い香りが漂って、私はその香り包まれた瞬間気持ちがほぐれていきました。

そのあとベッドに横たわり「アロママッサージはどんなものなのか確かめたい。絶対寝ないぞ」と思ったのですが、それは無駄な抵抗で、途中からはもうそんなことはどうでもいいように思えてきました。終わったときには、すっかり全身の筋肉が緩んでいて、緩み過ぎて気づけばどっしりと深く椅子に腰かけ、いつもよりよくしゃべっていました(笑)

アロマセラピーの魅力

アロマセラピーに惹かれたのは、植物の力、香りの魅力、タッチの心地よさ。
そして、アロマセラピストに惹かれたのは、自分の手を使って、患者さんによくなってほしいという思いを表現できるいい仕事だということ。そして自分の手と患者さんの肌が触れ合う、その濃密な時間にも惹かれました。

私が手にしたアロマセラピーの本に、緩和ケア病棟に入院された医師の手記が載っています。

"「(前略)私はボランティアスタッフの代替医療で不思議な体験をした。入院して3、4日間は微熱が下がらず、倦怠感が強く、不機嫌であった。ところが(中略)アロマセラピストが訪れて、私にアロママッサージをしてくれた。びっくりしたことに約1時間に渡るケアによって、体がうんと軽くなり、熱もひいたような感じを覚えた。実際、体温は平熱に戻り、以後1か月間、熱が上がることはなかった。私はこのような体験から、これからの医学がコンピューターを駆使した最新技術のみを追求するのではなく、もう一つの側面、それは古い時代から人間社会が取り入れてきた「癒しの技術」「気」の部分を実際の診療の場に、是非とり入れて貰いたいと願っている。勿論これらの方法が治癒不可能な疾患をすべて解決するというのではない。ただ、1分1秒の生命の延長にすべてをかけ、終には敗北するというみじめな最後よりも、できるだけの延命処置を行ってもその予後の見通しのない人達に死への支援をしてあげることの意義を考えたいと思うのである。」"*2

私はこの意義を学び、自分の手でできることを見つけたい。癒しの技術を身につけたいと思い、思い切って看護師からアロマセラピストへと道を変えることを決心したのです。

次回はアロマセラピーの歴史と、今、アロマセラピストとしてどんなことをしているのか、お話ししたいと思います。

■引用文献
*1 日本アロマセラピー学会看護研究会:ナースのためのアロマセラピー、メディカ出版、2011
*2 相原由花:臨床アロマセラピストになる、BABジャパン、2011

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■著者プロフィール

NAOKO

NAOKO
短大卒業後、一般企業に就職し5年間事務職に従事する。1994年、専門職になりたいと大阪の看護専門学校に入学。1997年より大阪の総合病院にて内科病棟と外科病棟に勤務。2011年病院を退職。2011年ホリスティックケアプロフェッショナルスクールプロフェッショナルコース入学。2012年HPS認定アロマセラピスト取得。2013年より医療施設と連携したケアルーム「Lifetouch」にて勤務。HPS臨床アロマセラピストコースに進学し、猛勉強中

■監修

相原由花

相原 由花
ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長、英国ITEC認定アロマセラピスト、英国リフレクソロジー協会認定リフレクソロジスト、関西医科大学心療内科学講座研究員、日本アロマセラピー学会評議員、日本ホリスティックナーシング研究会役員、eBIM(エビデンスに基づく統合医療研究会)評議員、NPO法人ウーマンリビングサポート副理事、The American Holistic Nursing Association会員、看護師、保健師

臨床アロマセラピーにご興味をお持ちになられた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。

●ホリスティックケアプロフェッショナルスクール神戸本校
〒651-0085 神戸市中央区八幡通4-2-13 フラワーロード青山ビル5F
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◎ホームページで、詳しい情報をご紹介しています。
http://www.hcpro.jp/
◎Facebookページもあります。ぜひご覧ください。
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セミナー情報など

■HPS認定 プロアロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#ca
アロマセラピストの基礎を、1年間徹底的に学びます。現役医師をはじめ、臨床経験豊富な講師から、基礎医学・精油学・アロママッサージをしっかり学習。シフト調整がしやすい「月2回」の受講です。

■HPS認定 臨床アロマセラピスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cb
病いを抱えた患者さまの、症状緩和・QOL向上・安寧確保のためのアロマケアを学びます。病棟・施設でアロマを実践したい看護師の方におすすめです。

■HPS認定 リフレクソロジスト養成コース
http://hcpro.jp/course.html#cc
足裏から、患者さまの身体状況をアセスメントする技術です。反射区を刺激することで不調を改善しながら、心地よいリラクセーション効果もあり、脱衣がしづらい患者さまにも適用しやすいことも利点です。

■RJB認定 MテクニックRPractitioner 実践者育成コース
http://hcpro.jp/course.html#cd
どのような重篤な患者さまにも適用できる、特殊なタッチング技術です。精油を用いず、衣服の上からも行えるため、実施の場所を選びません。疼痛・不安・睡眠障害などをやわらげます。

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